会社案内 パンフレット ちらし 看板 サイン ホームページ

お手本となるロックバンドの広告戦略、ブランディング

私は音楽が昔から好きです。
幼稚園の頃にはXJAPAN、LUNA SEA、GLAY等を聞かされ育ち、GLAYは初期からのファンでした。

今ではライブハウスで活躍しているような一般的に見たらマイナーなバンド等を、ライブハウスやロックフェスで見ることが楽しみの1つです。
バンドも1つの会社と似たような物で、製品・サービス(歌、曲)、メンバー(社員)、バンド名(会社名、ブランド名)の様なイメージで捉えることが出来ます。そんな会社ともいえるバンドの広告戦略・ブランディングを参考にしてみようと思ったので思い浮かぶ戦略を書いてみようかと思いました。
こんな記事を書こうと思ったのも、この前行った幕張メッセでのイベントで終わりを迎えたPUNK SPRINGというイベントに行ってきたからです。
色々なバンドがいて、それぞれ個性もあります。
そしてイベントも終了で定期的に参加していた私としては悲しかったので、大好きな音楽と絡めて何かを伝えたくなりました。

 

プロモーション一切なしのシングルCD発売

リリース日も一切告知せず何も情報が漏れること無く発売日当日にCDショップに訪れた人のみが知る事ができたプロモーション一切なしの戦略。

SNS等情報の拡散が容易に行われる現在だからこそ成功した戦略だと思います。

これは2000年に解散したロックバンドHi-STANDARDのおよそ16年半振りのシングルCD発売のことです。ハイスタは日本人なのにも関わらず英語のみで歌うという当時では珍しく、NOFXというカリフォルニアのバンドのFATRECORDSより逆輸入バンドとして日本に広まりました。
その他にも日本で1997年にAIR JAMというフェスを主催しており、今や乱立している日本のフェスにおいて先駆け的存在ともなっています。
東日本大震災を受けて不定期ですがライブ活動だけを開始したハイスタでしたが、ファンにとっては新曲も発売されたことで本格的な活動への期待感も高まりました。CDショップに訪れた人が知らずに店内のPOPでしり、その感動をSNSで伝え、聞きつけた人が続々とCDショップに現れるという現象が起きました。
通常の発売でしたらプロモーションを一切やらないなんて考えても行動に移せないと思いますが、常に新しいことに挑戦してきたバンドだからこそSNSの普及とCDの売れない時代を逆手にとってできた戦略です。

 

視覚でユーモアを出し話題に

最近CM等にも曲が使用されたりニュースで取り上げられたりと2、3年前から急激に認知が広まった、MAN WITH A MISSION。彼らはオオカミを言う設定。設定といったら怒られるかもしれませんが・・・。
体は人間、肩から上はオオカミという容姿で日本国内でも話題となり、海外でも話題となり海外でのライブも成功に収めています。海外バンドとのコラボもしていたりと海外での認知度も高くなっています。

楽曲も勿論特徴があるのですが、何と言っても見た人の興味を引く容姿はライブハウスやフェスでも見たら記憶に残るという点で大成功しているのではないでしょうか。

メタルとアイドルの融合

メタルとアイドルというと真逆のイメージですが、そこで話題を作ったBABY METAL。
デビュー当時は確かボーカルは中学生でのデビューでした。そこにバックバンドは演奏力のレベルがかなり高いメンバーを起用し、音楽ファンからも大きな話題になりました。こちらもMAN WITH A MISSIONと同様海外でも話題になり、レディガガのジャパンツアーではオープニングアクトを務める程注目を集めています。海外のメタルフェスにも参加していたりと幅広い活動をしています。

関係ないと思われていたジャンルを掛け合わせることにより話題を作り、実力も認められているという点ではどの業界も狭い業界内だけでなく異業種とコラボしてみて新たな価値観を作り出すことも必要なのではないでしょうか。

複数のメディアを有効に利用した広告戦略

2016年の紅白歌合戦に初出場を果たしたTHE YELLOW MONEKY。2001年に活動停止し、2016年に15年振りに活動を開始しました。90年代の代表的なロックバンドの1組みだと思います。
イエモンの代表曲とも言える「JAM」。90年代の歌番組は曲をフルコーラスで歌い切ることがほとんどできなくTV番組ように曲をカットして披露することが一般的だったため、イエモンは「JAM」をテレビで披露することがありませんでした。歌の世界観を優先して、全て歌わなければ伝わらないと判断していたからです。

全盛期に果たせなかった紅白歌合戦への出場を2016年活動再開の年にフルコーラスで披露できることが決まり話題を集めました。
2016年12月31日の新聞の一面に「JAM」の歌詞を掲載し、歌詞とともに「残念だけど、この国にはまだこの歌が必要だ」といったメッセージを伝えました。
ツイッターでは画像とともに「今夜、一緒に歌ってください」とお投稿があり大きな反響がありました。

<blockquote class=”twitter-tweet” data-lang=”ja”><p lang=”ja” dir=”ltr”>本日の朝日新聞朝刊に『JAM』の歌詞が掲載されています。<br><br>今夜、一緒に歌ってください。 <a href=”https://t.co/aLvk8zPXLo”>pic.twitter.com/aLvk8zPXLo</a></p>&mdash; THE YELLOW MONKEY (@TYMSproject) <a href=”https://twitter.com/TYMSproject/status/815061434241413120″>2016年12月31日</a></blockquote> <script async src=”//platform.twitter.com/widgets.js” charset=”utf-8″></script>

ファンへ見た瞬間色々感情を与え、知らない人には何だ?と思わせるインパクトを与えたと思います。これを見たファンはすぐさまSNSでの拡散やコメントを投稿し、当日年末のフェスに参加していた情報を全く知らなかった私のTwitterもタイムラインがイエモンの話題ばかりになりました。私はSNSでこの情報を知り興奮していました。
テレビへの出演をうまく活用し、イエモンの名前を現代に認知させる結果になったこの戦略は、ファンが沢山いるブランドにとっては参考になるプロモーション戦略ではないでしょうか。

 

ロックバンドにはファンが必ず沢山います。ブランドが確立されている企業にもファンが沢山いると思います。
ファンを大切にするブランドはファンが新たなファンを作り出し、どんどん認知度は広まっていきます。ブランド戦略にも色々な考えがあると思いますが、一つの参考として、バンドはファンで成り立っているのでそこへのアプローチの仕方は、ブランド戦略の参考になると思います。